木造住宅

木造住宅 リフォームを前提の投資物件購入 【資料の評価】

投資目的で木造住宅を探す人

 

住宅を購入検討中ですが、
価格が適正かよくわからない

 

評価の仕方があいまいです。

一般的なやり方が知りたい。

 

 

こんな疑問にこたえます。

 

一級建築士で35年仕事をしています。不動産投資は高額の買い物となるため、極力リスクを回避する方法を取るべきです。そのためには、事前に知識と情報を十分手に入れておくべきです。

また投資として不動産を購入するのですから、価格と投資計画に無理がないように考える必要があります。すでに初めている方は、確認事項として記事の通読をおすすめします。

 

基本的な流れのうち、不動産の「資料の評価」について解説します。

木造住宅 投資物件購入の流れ


情報収集から契約までには、以下のステップがあります。

1.情報収集と資料
2.資料の評価
3.現地確認①【立地と環境】
4.現地確認②【建物の制限】
5.現地確認③【外部仕上げ】
6.現地確認④【内部仕上げ】
7.現地確認⑤【動線と設備】
8.現地確認⑥【構造と耐震】
9.注意点【売り手側から】
10.リフォーム費用試算
11.売主へ買い付け証明書を出す
12.金融機関へ融資申しこみ
13.売主と売買契約を結ぶ
14.融資承認を得てローン設定
15.売買決済と登記

今回は2.資料の対比と評価について解説していきます。

 

不動産の投資手法

資料の対比と評価前に、投資手法の再確認です。

 

築年数 新築  ►低利回り 中古  ►高利回り
エリア 市街中心 ►低利回り 地方   ►高利回り
スケール 戸建・区分 ►銀行評価低い 1棟   ►銀行評価高い
構造 木造 ►融資機関短い 鉄骨・RC ►融資期間長い
用途 商業系  ►不安定 住居系  ►安定
購入手段 現金  ► ー 融資   ►レバレッジ
権利関係 所有権以外 ►銀行評価低い 所有権  ►銀行評価高い

 

✔収集資料はランダムに集まる可能性があり、投資手法に合わない資料は放置しましょう。

 

2.資料の評価

資料収集後、対比する項目は以下です。

 

評価項目 

・不動産全体の価格
・土地の価格
・建物の価格
・キャッシュフロー分析
・キャッシュフローの注意点

 

不動産全体の価格

実需の不動産売買では、積算価格を採用します。

 

積算価格 

積算価格=土地の価格+建物の価格

一戸建ての土地の価格は取引事例比較法、建物部分は原価法で計算します。土地と建物の合計価格を積算価格と言います。

 

価格査定方法は2種類に分類

分類 内容 採用
積算価格(価格査定) 需給関係で決まる価格 不動産業者・売買する人
鑑定評価 法律による客観性重視 税務署・裁判所

 

 

補足:鑑定評価
専業の不動産鑑定士が。合理的な価格を的確に把握することが目的です。
作成された不動産鑑定評価書は、裁判所や税務署等の公的機関において対外的に通用する証明能力があります。

 

土地の価格

木造一戸建ての土地の価格は、実勢価格を採用して比較検討します。

 

土地の価格⇩【実勢価格】

https://www.land.mlit.go.jp/webland/

土地総合情報システム(国土交通省)

 

 

土地の価格評価方法は、必要対象別に5種類。

分類 内容 採用
実勢価格 類似取引事例を抽出し、㎡単価に 民間による実勢価格データ
公示価格 市街地中心に特定場所から導く単価 国土交通省・土地鑑定委員会
基準価格 林野などを含み国土網羅の実態把握 地方自治体(総務省)
路線価額 相続税や贈与税のため、銀行も流用 国税庁
固定資産税評価額 道路への評価で、土地の形状で変化 市町村

 

 

✔実勢価格データは、細かく補正しています。

流通性によって「流動性比率」で補正
→売りやすい極大係数=1.07
→売りにくい極小係数=0.93

 

 

建物の価格

1.建物の価格は原価法で判断します。
(耐用年数内)

 

建物の価格

建物の価格=
再調達価格×延べ床面積×残存耐用年数割合

再調達価格=新築建物価格です。

 

再調達価格(最近の新築建物価格相場)2019年9月記者調べ

構造 一般的単価(万円/㎡) やや高いグレード(万円/㎡)
木造 14.5 16.8
軽量鉄骨造 14.8 17.0
重量鉄骨造 16.3 18.5
鉄筋コンクリート造 19.2 21.3
鉄骨鉄筋コンクリート造 19.5 21.8

例)一般的木造 延べ床面積90㎡の場合
90×14.5=1305万円 という計算になります。

 

延べ床面積⇩【容積率との関連】

木造住宅 購入 注意が必要な知識 ローンヘも影響する【容積率】

 

 

原価法
今すでに建っている建物を取り壊したと仮定して、同じ建物ではいくら費用がかかるのか試算(再調達価格という)して査定価格を出す方法。

 

耐用年数
耐用年数は税務上の償却率が数値化されています。

建物構造   耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート   47年
鉄骨造   34年
軽量鉄骨造   27年
木造   22年

 

 

2.耐用年数経過後は、耐久性・追加設備の更新状況によって個別判定します。

23年経過した建物の価値(価格)については、外観・耐震性・設備の利便性が鍵となります。
中古の木造住宅の多くは、耐用年数を経過している建物が多く注意が必要です。

 

詳しくは⇩【23年経過した中古住宅の耐久性】

木造住宅 リノベーションで家の寿命を延ばす【驚くほどの耐震性】

 

 

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー=手残りするお金です。

利回り20%以上は理想的水準。

 

毎月ベースや年間ベースで手元にお金が残らなければ、投資とは言えません。

 

キャッシュフロー

キャッシュフロー=年間家賃収入ー支出

*支出金=年間ローン返済、運営経費、空室損失


・年間ローン返済 2%以下が理想。
政策金融公社への相談はお勧めです。
https://www.jfc.go.jp/n/company/summary.html#af2

 

・運営経費 
管理委託費、広告宣伝費、固定資産税、
保険費用、電気水道等、修繕費、交通費。


空室損失 10%程度を見込みます。
別の表現では稼働率90%。

 

・利回り
投資金額に対する利益の割合
(年間利回りが一般的)

 

キャッシュフロー上の注意点

キャッシュフロー上の注意点は以下です。

 

賃貸例で説明します。
転売のケースありですが、投資効果は同じ。

 

1戸建住宅賃貸

・リフォーム費用の過大 →募集賃貸費へ悪影響
・構造本体の確認不足 →耐震補強費が後日発生
・過疎化や生活インフラの欠乏 →立地的に敬遠

 

 

集合住宅賃貸

・リフォーム費用の過大 →募集賃貸費へ悪影響
・構造本体の確認不足 →耐震補強費が後日発生
・過疎化や生活インフラの欠乏 →立地的に敬遠
・レントロールの日付 →解約の可能性が未知数
・入居偽装がないか  →買取後、入居率の修正
・現家賃が高すぎないか →将来的な更新リスク
・募集家賃が高すぎる →潜在入居者へ事前悪評
・反社勢力の入居者がいないか →入居率の悪化

*1戸建住宅の注意点は集合住宅にも該当。

まとめ

資料の対比と評価

 

購入不動産価格の査定

不動産価格=土地の価格+建物の価格

土地の価格 →よく似た取引事例を参考
建物の価格 →もともとの建物価格が基準

 

キャッシュフロー上の注意点(抜粋6つ)

・リフォーム費用の過大化
・構造本体の確認不足
・レントロールの日付け確認不足
・既存賃貸状況の偽装情報
・入居率に影響する高い家賃設定
・既存入居者を含めた環境調査不足

はじめて投資する場合、踏み出しが大切です。
最初から赤字経営の場合、その後銀行から追加融資が受けられなくなります。または相当ハードルが高くなります。

 

✔初期投資金額は極大におさえて、
小さくても黒字スタートがとても大切です。

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4 木造住宅 リフォーム前提の投資物件購入 現地確認②【建物の制限】

 

 

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