木造住宅を購入するには
築年数はどれぐらいが良いか
よくある質問
「築何年頃の住宅が買い得ですか」
そんな疑問にこたえます。
一級建築設計士で35年仕事をしています。
不動産は日曜品や消耗品のように安価なものではなく、あとで後悔することがないように、注意が必要です。
今回は、住宅築年数に対して、価格の変遷と買い頃について解説します。
合わせて、木造住宅の買い方の注意点と購入後のリノベーションについて触れていきます。
木造住宅 買い方 【新築後何年が良いか】
今回のテーマは、木造住宅を買う場合、新築から何年後ぐらいが良いか....です。
結論
1.築年数15年経過した住宅
2.築年数40年経過した住宅 |
この2つです。
それぞれの理由を以下に解説します。
1.築年数15年経過した住宅
・耐用年数を意識した評価額の下落勾配が鈍化する時期
・建物自体の劣化は、進んでいない場合が多い ・改正建築基準法後の建物なので、構造上の耐震性が高い |
2.築年数40年経過した住宅
・耐用年数の約2倍経過し、住宅部分の評価はゼロベース
・耐震補強に特化したリノベーションで、本来の寿命を確保する |
よくある質問
以下はよくある質問です。
よくある質問
・比較的新しい住宅は良い買い物ではないのですか
・木造住宅の耐用年数は何年ですか ・木造住宅の耐用年数と価格の関係はありますか ・築25年や35年ではだめですか ・築45年も経過すれば、少ししか住宅寿命が残ってないのでは |
・比較的新しい住宅は良い買い物ではないのですか
建物部分の評価は、耐用年数という標語に、引きずられるように値下がりします。 |
新築後、住宅をすぐに売却した場合、建物部分はすでに2割引きとなります。
新しい住宅はその下降トレンドの真っ最中です。
ただし、土地部分は、路線価格や周辺地域の相場が指標となり、急激には変動しません。
このことは、築年数とは関係なく、共通しています。
【詳しく知りたい方】
木造住宅 リノベーションで価値を向上させる【相場価格と耐用年数】
・木造住宅の耐用年数は何年ですか
木造の耐用年数は22年です。 |
あくまでも、経理上の減価償却の年数をそのまま、「耐用年数」と称しています。
そこに住む限り、何も意識する必要はありません。
耐用年数【参考】
法定耐用年数表
建物構造 | 耐用年数 |
鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート | 47年 |
鉄骨造 | 34年 |
軽量鉄骨造 | 27年 |
木造 | 22年 |
耐用年数は税務上の償却率を数値化されています。
・木造住宅の耐用年数と価格の関係はありますか
不動産取引上や銀行の担保価値を引き出す上で、参考にされます。 |
需給関係で決まるわけですから、慣例上、そのようにして価格形成されるのであれば仕方がありません。
☑ 耐用年数の22年に近接する手前の15年目頃から、下落幅が小さくなる傾向があります。
・築25年や35年ではだめですか
築25年~35年程度は、購入時期としては中途半端です。 |
売買の実績は比較的多い築年数です。
また需要も多く、特に問題はありませんが、投資と見立てると、やや中途半端な時期です。
建築基準法改定
2000年以前の耐震基準で建てられた家は耐震性が低く、2階建て以下の木造在来工法住宅の多くは、耐震性が不足しています。つまり、すぐに補強工事を実施する必要がある住宅が多く、資金効率が良くないからです。
築25年~35年の建物は耐震性が不足している住宅が多く、早いタイミングで補強工事の必要性があります。当然、もっと古い住宅は、耐震性が不足している場合が多いのですが、それぐらい古い建物になると、耐震補強に特化したリノベーションの動機付けに迷う必要はありません。 |
☑ 個別の建物の状況は、建築士やホームインスペクターなどに、気軽に相談しましょう。
需給上の問題
築25年~35年頃は買い換需要が多い時期でもあり、木造住宅の取引が活発な時期です。 |
☑ 需給が多い場合、どのような市場でも割安にはなりにくい性格があります。
・築45年も経過すれば、あまり住宅寿命が残ってないのでは
築45年経過していても、木造住宅はまだまだ寿命が伸ばせます。 |
☑ 方法は、構造に特化したリノベーションです。
単に古いだけの住宅が買い得な理由
・耐震補強に絞ると、費用対効果は抜群
・実質の住宅寿命を延ばすことが可能 ・新築当時よりも地震に対して強くすることも可能 ・木造住宅だから、比較的安価で達成できます |
築20年以上経過すると、家が土地代だけで買える【補足】
木造住宅は築20~30年物件の中には、ごくまれに、土地代のみで購入できる場合があります。 |
不動産業者の間では、建物評価は限りなくゼロ評価として扱うようです。
この場合、木造住宅は耐用年数を逆に利用した、購入価値が非常に高いケースとなります。
土地代の指標となる路線価格
路線価格詳細 ↓
https://www.rosenka.nta.go.jp
まとめ
木造住宅おすすめの購入時期
1築年数15年経過した住宅
2築年数40年経過した住宅 |
その理由
1.15年経過した住宅 ・価格下落率が鈍化する ・建物自体の劣化は進んでいない ・法律改正後は耐震性が向上している2.40年経過した住宅 ・建物評価はゼロ ・耐震補強工事により、寿命が延びる |
木造住宅には工事が手掛けやすい、大きなメリットがあります。
ポイントさえ間違えなければ、築年数を意識することなく、住宅の寿命を延ばすことが可能です。 |
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